アンタルヤ港は、パウロが第一回伝道旅行の帰路でベルガから来て伝道し、この港からシリヤのアンテオケへ向かった所でもある。(使徒14:25〜26)地中海と澄み渡った空の青さが眩しかった。アンタルヤを後に一路、空路でイスタンブールへ向かった。
イスタンブールは東西世界の文明と文化の融合した美しい大都市である。 黒海からマルマラ海へと流れるボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジヤを堺にする。そして金角湾を挟んで旧市街と新市街に分かれる。東西の分岐点に位置するこの都市は、数奇な世界史のページを飾った重要な都市でもある。都市の名も「ビザンチン」から「コンスタンチノポリス」へ,そして現在の「イスタンブール」へと変遷を得ている。
 紀元330年、コンスタンチヌスはここに新都を開いた。旧市街の町を取り囲むように今尚残る巨大なコンスタンチヌス帝の城壁は当時の権力と栄華を偲ぶことが出来る。壮大なアヤソフィヤ寺院の偉容もまた際立つ。アヤソフィヤ寺院はビザンチン時代の大聖堂だったが、十字軍やオスマン・トルコなどの略奪によって、多くの貴重な文化財が消失しているということで残念なことだ。現在は博物館となっている。モザイク画も復元されており、「キリストを抱いた聖母マリヤ」など美しい当時の姿を再び表している。イスラム教のコーランの文字も天井高く掲げられらており、幾重にも重なる歴史を再び思い起こさせる寺院だ。

 

 


 短いイスタンブール滞在の中で、世界でも貴重な展示物を誇る「考古学博物館」を見学出来たことはうれしかった。小アジヤ地方からの出土品、ローマ、ギリシアなどのビザンチン時代の芸術品が多数納められていた。代表的な「アレキサンダー大王の石棺」の側面の彫刻にはただ圧倒された。当時の高度な人間の技術、繊細な芸術的センスに驚かされる。
 イスタンブールは、東西世界の交通の要衝として発展した都市にふさわしく、異国情緒たっぷりで旅情をかきたてる魅惑的な都市だ。新市街から眺める巨大なドーム、「ブルーモスク」の景観もまた圧巻だった。17世紀初頭、スルタン・アフメットによって建てられ、オスマントルコ建築の最高傑作ともいわれ、その景観は世界中の人々から愛されているらしい。